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Lee Heedon 「 縁 」

6 時間前
読了時間: 4分

2026.11.1 sun - 11.15 sun








1.INTRODUCTION


「縁」



世界を、編む。




繊維をほぐし、絵具と混ぜ合わせ、幾重にも塗り重ねる。

Lee Heedon(イ・ヒドン)の作品には、そうした行為の積み重ねが、時間の痕跡として刻まれています。


作家が長年にわたり作品に託してきた言葉が「縁(인연)」です。

無数の繊維が絵具と交わり、一つの画面をつくるように、私たちもまた、異なる存在と出会い、関わり、重なりながら生きています。


Lee Heedonは、そうした関係の連なりを、まるで世界を編むように描き続けてきました。


その制作は、韓国現代美術における「単色画(Dansaekhwa)」の系譜と響き合いながら、反復する行為と物質性、そして色彩によって、独自の絵画世界へと展開してきました。


韓国で生まれた作品が海を越え、日本で新たな人々と出会う。

作家と作品、韓国と日本、そして作品を前にする一人ひとり。


この展覧会もまた、新たな「縁」のひとつとなります。
















2.MATERIAL / PROCESS


繊維から、絵画へ。



Lee Heedonの絵画は、一本一本の細かな繊維から始まります。

素材となるのは、韓国の伝統紙・韓紙にも用いられる楮の繊維。作家はこれを自らすり潰し、絵具と混ぜ合わせることで、独特の質感と立体感を生み出すための絵具をつくります。



































キャンバスの上には、無数の穴を開けた型紙や、糸を編んでつくられた構造を置き、その上から楮繊維を含んだ絵具を重ねていく。絵具は穴や糸の隙間を通り抜けながらキャンバスに定着し、点や線のような独特の形を残していきます。






一層をつくり、乾かす。そして、また重ねる。

その反復によって絵具と繊維は少しずつ積み重なり、やがて画面には、触覚を呼び起こすような深い凹凸が生まれます。


















さらにその上から、刷毛や筆によるストロークを幾度となく重ねていく。およそ50回にも及ぶ反復的な筆致を経て、画面はさらに奥行きを増していきます。





繊維、絵具、糸、筆跡、そして時間。

異なるものを重ね、結びながら、一つの絵画が編み上げられていきます。






















3.INYEON / 縁


「인연」という言葉。



韓国語の「인연(Inyeon)」は、日本語の「縁」と同じ「因緣」に由来する言葉です。

もとは仏教の縁起思想に根をもち、ある結果を生む原因と、それを成立させるさまざまな条件や関係を意味しました。やがて日常にも根づき、人と人との関係や巡り合わせ、人生のなかで生まれるさまざまなつながりを表す言葉として使われています。



인연

因緣

Inyeon 




Lee Heedonは、この「인연」を長年にわたり作品の主題としてきました。

楮の繊維と絵具を混ぜ、糸を編み、異なる素材を結びつける。さらに、乾燥と塗布、幾度もの筆致を繰り返しながら、一つの画面をつくりあげていく。






異なるものが出会い、関わり、重なりながら、一つのものが生まれる。

その制作のあり方そのものが、作家の描く「인연」の世界と静かに重なっています。
















4.EVOLUTION


生命から、縁へ。



「縁」を主題とする現在の作品へと至る以前、Lee Heedonが見つめていたものがあります。

それは、「生命」でした。

その頃の作品には、画面を埋め尽くすように、小さな穴が繰り返し現れます。



















作家にとって、この一つひとつの穴は「生命のいずる場所」。

一つの穴、一つの生命。それらが無数に集まり、やがて一つの画面をかたちづくっていきます。

その表現は、やがて点や線、色彩、そして楮の繊維による凹凸へと展開していきました。
























一つひとつの生命を見つめること。そして、それらが集まり、関わりながら存在する世界を見つめること。


生命から、縁へ。


Lee Heedonの表現は、かたちや素材を変えながら、個々の存在と、そのあいだに生まれる関係へと広がっていきました。
















5.CONTEXT


韓国単色画との接点



Lee Heedonの絵画を韓国現代美術の流れのなかで見ると、「単色画(Dansaekhwa)」との接点が浮かび上がります。


1970年代の韓国で大きな潮流となった単色画。そこでは、単に色を限定すること以上に、塗る、引く、削る、押すといった行為を繰り返し、素材と向き合いながら画面をつくることが重要な意味をもちました。

Lee Heedonの制作にも、そうした反復する行為、素材の物質性、そして時間の蓄積を見ることができます。


一方、その画面は必ずしも「単色」にはとどまりません。鮮やかな色彩、楮の繊維、無数の凹凸。そして「生命」から「縁」へとつながる、自身の主題。


単色画と響き合う方法をもちながら、Lee Heedonはそこに独自の素材と色彩、思想を重ね、自らの絵画へと展開しています。
















6.WORKS


Lee Heedon - INYEON

























































































































































































7.ENCOUNTER


海を越えて、つながる。
































ここからまた、新しい「縁」がはじまります。

















Lee Heedon「縁」

2026.11.1 sun - 11.15 sun


SAN BANCHO GALLERY

三番町ギャラリー


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